BS朝日番組 志位委員長 大いに語る

不正不義の戦争を手助けする道をとるべきではない

いきなり、都はるみです(笑)

みなさん、こんばんは!日本共産党の手塚弘司です。今日は朝から鳴門事務所でした。ビラ配布の統一行動です。今日は暑かった~!参加していただいたみなさん、本当にお疲れさまでした。ありかとうございました。お昼はNさんが作ってくれたお寿司です。おいしかったです。

写真、右側が上田公司鳴門市議です。上田さんのブログはこちらからどうぞ!

 

今朝の赤旗日刊紙に掲載された記事です。BS朝日で志位委員長が大いに語りました。ちょっと長いですが、どうぞお読みください。

消費税増税、集団的自衛権、安保・外交政策

日本共産党の志位和夫委員長は5日に放映されたBS朝日「激論!クロスファイア」に出演し、安倍晋三首相が表明した消費税増税や集団的自衛権行使容認をめぐる動きをどうみるか、日本共産党の安保・外交政策などについて縦横無尽に語りました。出演者はジャーナリストの田原総一朗氏と村上祐子アナウンサー。コメンテーターは朝日新聞特別編集委員の星浩氏。


参院選――自民と対決、対案示し、若い世代への継承を重視

番組では、「ともかく志位さんに出ていただきたいと、相当前からお願いし、やっと実現しました」(田原氏)「日本共産党は参院選で躍進しましたからね。勢いがある政党なわけですね」(村上氏)と出演の理由を語り、冒頭、田原氏は「共産党は7月の参院選挙で改選前の3議席から8議席に5議席増やした。非改選とあわせて11議席。その勝因はなんですか」と切り出しました。

志位 自民党に対する対決軸、自共対決ということを正面から打ち出した。そして、対決と同時に、消費税でも原発の問題でも、私たちの対案を打ち出しました。

田原 ほかの党には対案がなかったんだ。

志位 対案を持っていなかった。自民党にかわる道を示せなかった。

 (共産党の躍進は)志位さんがいわれたように、自民党に対する対抗軸を明確にしたことがありますね。ほかの野党は、どうも言っていることとやっていることが違うという不信感もあって伸び悩むなかで、共産党が相対的に力をつけたということですね。

田原氏は「もう一つ印象的だったこと」として、30歳の吉良よし子、36歳の辰巳孝太郎両氏が当選したことをあげ、つぎのようなやりとりになりました。

田原 共産党の選挙区(立候補者)で、46人のうち、30代が12人。4分の1が30代なんですね。なんで、こんな若いのかな。

志位 私たちは、党の仕事を若い世代に継承するために、この間、いろいろな取り組みをやってきました。たとえば、若い人を100人ぐらい、1週間ほど、伊豆の学習会館に集まってもらって、特別党学校というのをやってきました。私とか不破さんとかが、講義をして、ディスカッションをする。こういう取り組みをずっと続けてきて、若い幹部が育ってきています。

村上 ホームページを拝見しても、「ゆるキャラ」などが登場して、ずいぶん斬新に若返られたなという印象です。

 ネット選挙を活用されたのも、今度の選挙の勝因の一つですね。

志位 「カクサン部」というのを作って、「ゆるキャラ」をいろいろ登場させました。「雇用のヨーコ」などいろいろ話題を呼び、それらが政策発信に役に立ちました。

田原 共産党らしからぬことをやったと。共産党って今までは、堅くて真面目というイメージだった。

志位 今までの延長でないいろんな取り組みにチャレンジしました。(共産党は)堅くて真面目なんですよ、でも「ゆるい」ところもあるという、いろんな人間の感覚や個性とかをうんと大事にする党であってこそ、伸びていくと思います。

消費税増税に道理なし――庶民から吸い上げ、大企業にバラマキ

安倍首相は1日、2014年4月から消費税率を現行5%から8%に引き上げることを表明しました。田原氏は、増税にたいする賛否が拮抗(きっこう)する世論調査を取り上げ、「意外に反対が強くない。これをどう見るか」と志位氏に問いました。

志位 「(増税はいやだが)やむを得ないのかな」と思っている方もいるとは思いますが、なお賛否が拮抗しているということをよく見るべきですね。今度の消費税増税は、本当に道理がたたないと思います。

田原 なんで?

志位 消費税増税のために景気が悪くなる。景気が悪くなるから「景気対策」をやるという。

田原 5兆円。

志位 復興特別法人税をやめるとしたら6兆円ですね。6兆円ものカネをばらまくんです。6兆円のうち、だいたい2兆円は大型公共事業。そして2兆円は大企業減税です。庶民から8兆円も吸い上げておいて、大企業にたくさんのカネをばらまくということになってくると、「消費税(増税)は社会保障のため」、「財政再建のため」といっていた(増税の)「大義」が消えてしまった。

田原 公明党も復興特別法人税の前倒し(廃止)は反対だったのに、最後につきあった。

志位 結局、妥協しました。世論調査でも、復興特別法人税の廃止は反対が多いですね。これは本当におかしな話です。ともかく「復興は国民みんなで荷を分かち合おう、企業も個人も負担しよう」という建前で始めたわけですよ。それで、個人の方の所得税の増税は25年間続け、住民税の増税は10年間続ける。ところが復興特別法人税の方は3年のものを1年前倒しでやめちゃうわけだから、とても理屈はたたない。

田原 しかも首相は、法人税の実効税率引き下げを考えている。

志位 これまでも(法人税)実効税率をどんどん下げてきたんだけど、これをもっと下げてやろうということまでいっているわけだから、結局、消費税増税は、「社会保障のため」でもない、「財政再建のため」でもない、大企業減税のためだという正体が割れてきた。

田原 なるほど。

法人税を減税しても賃金は下がった――これが歴史の事実

 消費税はもともと社会保障にあてますという約束だった。そこもどうもおかしくなっている。いま志位さんが言われたように、安倍さんたちのレトリックは「法人税減税が給与の増加につながるはずだ」といっている。この辺がまだよく分からない。どうも確約がないんですね。

志位 これは歴史の事実を見たらうそだということがよく分かってきます。1997年から2012年までに法人税は何度も下がっているんです。37・5%から34・5%、30%へとどんどん下がっている。同じ時期に(労働者の)給料は(年収)70万円も減っています。結局、大企業の内部留保が100兆円も積みあがって270兆円になりました。法人税をどんどん減税したけれど、給料にまわらなくて、内部留保が積みあがっているのが現実です。(安倍政権では)同じことの繰り返しになります。

田原 本来なら、国民の怒りが安倍内閣に向かないといけないんだけど、支持率が今62%もある。これをどうみたらいいのか。

志位 増税の問題が実際の痛みとして迫ってきたら、どんどん変わってくると思います。それから、消費税の問題は賛否が拮抗しているといいましたが、原発再稼働、集団的自衛権(行使)は反対が多い。個々のやることを見たら反対が多いんです。

志位氏の指摘に、星氏は「実際あがるのは来年4月ですから、いまのところまだ、痛みがない。なんとなく安倍政権は痛みがないままうまいことやってくれるのかという期待がある」。田原氏は「ボロが出るとしたらこれからということか」と応じました。

「雇用特区」で、“解雇やり放題、残業代ゼロ”は許せない

安倍首相は財政再建と経済成長を両立させると言っているが、それは可能か―。村上アナウンサーは質問しました。

志位 経済成長を本格的にやろうと思ったら、働く人の所得を増やさないとだめですよ。

田原 安倍さんも増やすといっている。

志位 安倍さんは「増やす」といっているんだけども、やろうとしていることは消費税増税で所得を奪っちゃおうということでしょ。くわえて、雇用の問題では、「雇用特区」というのをつくって、解雇はやりたい放題の自由化、残業代はゼロにする。つまり、労働基準法がまったく通用しない「ブラック企業特区」みたいなものをつくろうとしているのが、いまの安倍政権のメニューですよ。

田原 新自由主義というのは競争の自由なんです。

志位 小泉首相の時代から、ずっと新自由主義をやっている。大企業はもうけたけど、長期にわたって日本は国民の所得が減り続けている。

田原 問題は安倍内閣で国民の収入が上がるかどうか。

志位 問題はそこですね。

田原 ここが問題。安倍さんは上がるといっている。志位さんは絶対無理だといっている。ここに結論が出たら、もう一回、志位さんに出てもらおう。安倍さんにも出てもらおう。

「共産支持率第2位」の衝撃――何があったのか

番組では、共産党の支持率が話題になる場面も。

田原 もう一つ、面白い世論調査がある。日経新聞です。

 これはわれわれも驚きましたね。

田原 政党支持率調査。1位はもちろん自民党です。2位なんと共産党なんですよ。今まで民主党を共産党が抜くなんてことはありえなかった。何があったのか。

志位 ほかの党が自民党と変わらないんですね。たとえば、自民党が、消費税増税をポーンと出すと民主党も賛成です。維新の会も賛成です。憲法の問題だって、自民党が、集団的自衛権(行使)をポーンと出すと、民主党も、維新の会も、みんなの党も、「憲法改正」です。つまり、自民党の補完勢力みたいな政党になってしまっている。

田原 そういう感じですね。

志位 そうなってくると、(自民党に)正面から対抗する共産党頑張れという声が、寄せられていると思います。

集団的自衛権――大国の侵略と介入の口実として使われてきた

集団的自衛権の問題にテーマが移り、次のようなやりとりに。

田原 安倍さんは、国連総会で、「積極的平和主義」と言ったんですよ。これは結局、集団的自衛権とつながってきます。どう思いますか。

志位 安倍さんは、国連総会演説の前のスピーチで、集団的自衛権に踏み込むんだとはっきり言っていますね。「平和主義」といっていますが、結局は集団的自衛権に踏み込もうというものです。

田原 「赤旗」は(集団的自衛権行使で)アメリカと(一緒に)海外での戦争に乗り出す、安倍首相のいう「積極的平和主義」は、戦争に日本を引きこむものというが、ちょっとそれはいいすぎではないか。

志位 現実の問題で議論する必要があります。たとえば、中国が台頭してきた。それにもっぱら軍事力でことを構えて、軍事的抑止で対抗する。私はそういう選択はとってはならないと思います。

集団的自衛権の問題で、よく「自衛」という言葉があるから、日本の「自衛」と関係あるのか、アメリカ本国の「自衛」と関係あるのか、誤解される方がいますが、まったく関係ないわけです。

これまで、戦後の世界で、集団的自衛権が国連憲章51条の権利として発動されたのは、アメリカのベトナム侵略、旧ソ連のチェコスロバキア侵略、アフガニスタン侵略、それから01年のアメリカによるアフガン攻撃、だいたいそれぐらいです。すべて大国による軍事介入、軍事侵略です。このときの「論理」として集団的自衛権をつかってきた。これが、現実政治のありようです。

アフガン・イラク戦争のような戦争を一緒にたたかうということ

志位 日本の場合、集団的自衛権が問題になったのは、2000年に「アーミテージ報告」が出てからです。(同報告で日本は)「集団的自衛権を採用しろ」と、そこから問題になったのです。01年にアフガン戦争が始まって、(米国から)“ショー・ザ・フラッグ”といわれて、海上自衛隊がインド洋に出ていった。03年にイラク戦争が始まって、“ブーツ・オン・ザ・グラウンド”といわれて、サマワ(イラク)に陸上自衛隊を出す。そういう流れのなかで――アメリカの戦争に自衛隊を参戦させるという流れのなかで、集団的自衛権が問題になってきたのです。

田原 自衛隊はイラクに水くみにいった。アメリカのブッシュ大統領から大感激された。いいじゃない。戦争しにいったら問題だけど。

志位 イラク戦争自体が大義のない侵略戦争だったから反対です。ただ、「集団的自衛権は行使できない」ということがあったために、アフガン戦争のさいにも、イラク戦争のさいにも、やれなかったことがあるんです。アフガン戦争のときは「テロ特措法」、イラク戦争のときは「イラク特措法」で自衛隊を派兵したわけですが、両方とも共通に第2条があり、何と書いてあるかというと、「武力行使はできない」「戦闘地域には行かない」。この歯止めがあった。イラク戦争の支援にいったけど、戦闘地域にまで出て行って戦闘行為を(米軍と)一緒にすることはできなかった。(集団的自衛権行使は)この歯止めをはずしちゃおうということなのです。

架空のシミュレーションで集団的自衛権を許してはならない

田原氏は、安倍首相の私的諮問機関で集団的自衛権の行使を検討しているケースをあげて質問しました。

田原 安倍さんは、1案は、「公海でアメリカの艦船が攻撃を受けたら防御する」、2案は、「アメリカに向かうかもしれない北朝鮮のミサイルを迎撃する」といいます。この二つどうですか。

志位 「1案」の方でいいますと、(首相は)いろいろなシミュレーションをよく言うのですが、この前のアメリカの講演では「日本近海で米艦船が攻撃されたら守らなければならない」と述べました。ただ、現実に問題になったのは、「日本近海」ではなく「ペルシャ湾」なのです。

04年にアーミテージさん(米国務副長官・当時)と安倍さん(自民党幹事長・当時)が『文芸春秋』で対談をやって、アーミテージさんが、「ペルシャ湾にいる米艦船が攻撃された場合、一緒にいる自衛隊が防護しなくていいのか」と問い、安倍さんが「集団的自衛権を検討したい」と答えている。そこから始まっているのです。現実に問題になったのは、「日本近海」でなく「ペルシャ湾」なのです。

田原 近海ならいい?

志位 想定しがたいけれど、近海でもしそういう問題になったら、集団的自衛権でなく個別的自衛権の問題になります。

 日本近海でこういうことがおきている場合、相当、戦闘状態がすすんでいて、個別的自衛権で反撃すれば十分だろうという理屈は専門家のなかにもあります。

田原 日米同盟なんだから、何かできることをやったほうがいいんじゃないの。

志位 戦後、アメリカのやってきたことを、振り返ってください。ベトナム侵略であり、グレナダ侵略であり、パナマ侵略であり、アフガン攻撃であり、イラク侵略です。そういう不正不義の戦争に手助けする道をとるべきではない。

それから、「2案」の弾道ミサイル(迎撃)ですが、8月に政府が公式に答弁書を出し、“迎撃は極めて困難”といいました。アメリカ本土に向かうミサイルは高高度を、高速で飛ぶので、迎撃は事実上できないと。つまりこれは荒唐無稽の話なのです。これをあたかも現実の問題であるかのようにして、集団的自衛権(行使)にもっていく議論は許してはいけない。

田原 なるほど。

東南アジアのような平和的安全保障の枠組みを、北東アジアにつくる

田原 共産党の安全保障、共産党は日本をどう守るのか。

志位 私は、大きな構想として、いま東南アジアの諸国がつくっているような安全保障の枠組みを(北東アジアでも)つくっていきたい(と考えています)。

ASEAN(東南アジア諸国連合)の条約で非常に大事なのは、「東南アジア友好協力条約」――TACというのですが、“紛争が起こっても絶対に戦争にしない、話し合いで解決する、武力は行使しない”――、そういう“不戦条約”を結んでいます。

中国との関係では、「南シナ海行動宣言」――DOCをかわしています。南シナ海では(島の)領有をめぐる紛争問題がありますが、エスカレートさせないで、話し合いで問題を解決する。徹底して話し合いで紛争の解決をはかる枠組みをたくさんつくっています。

田原 自衛隊はどうする?

志位 私は、この前、ベトナムとインドネシアに行ってきましたが、東南アジアの考え方は、いわゆる軍事的抑止にもっぱら頼るという考え方から脱却しているんです。

田原 ベトナムにもインドネシアにも軍隊がありますよ。

志位 軍隊はありますよ。しかし、軍事的抑止力論や軍事力均衡論はとっていない。対話によって信頼醸成をはかり、紛争を平和的に解決する。東南アジアのような紛争の平和解決の枠組みを、北東アジアにもつくろうというのが私たちの考えです。

田原 北東アジアには中国や北朝鮮、韓国などがある。

志位 北東アジアには、東南アジアに比べても、いろいろな問題はあります。しかし一番の問題である北朝鮮(問題)も、戦争で解決することなど誰も考えてないですよ。やっちゃならないし、できない。だったら外交でやるしかない。その場合どこでやるか。6カ国協議に戻すしかない。

自衛隊はどうする――国民合意で一歩一歩軍縮をすすめ解消に

田原 僕も、中国は絶対戦争をする気はないと思う、北朝鮮も韓国も。だけど、外交力は軍事力が必要ですよ。

村上 共産党の思い描く自衛隊はどういうものですか。

志位 私たちは、日米安保条約をなくすべきだといっています。アメリカいいなりの枠組みですから。(日米安保条約を廃棄して)日米友好条約に代えようという展望を持っていますが、安保をなくしたときに自衛隊も一緒になくそうという立場でないのです。

私たちが参加する政権ができたとしても、自衛隊はすぐにはなくならない。「安保をなくしたい」と思っている人でも、「自衛隊は必要だ」と考える人が多いでしょうから。憲法9条との関係というと自衛隊は違憲の軍隊です。国民合意で、自衛隊を一歩一歩軍縮していく方向にすすみます。

田原 最後はなくすの?

志位 最後は解消します。自衛隊をなくす場合は、私たちの参加する政権が、外交の力によって世界とアジアとの関係で平和的な関係をつくる、北東アジアの平和的情勢も成熟する、国民のみんなが、田原さんのような人を含め圧倒的多数が、誰でも「自衛隊なくても安心だ」というときになって初めて解消の手続きをとります。

田原 僕は志位さんに近いと思う。戦争反対だし、憲法9条の1項を変えるのも反対だ。

ASEANの知恵――徹底した対話で紛争を戦争にしない

田原 ところで、志位さん。9月22日から28日まで、ベトナムとインドネシアへ(行かれましたね)。何をされたんですか。

志位 ベトナムとの関係では、ベトナム共産党と長い間の連帯の歴史をもっていますから、先方から招待があって行ったのですが、あわせてインドネシアを訪問したのは、ASEANの取り組みをよく見てきて、意見交換をやりたいというのが目的でした。

田原 とっても大事だというふうに思います。そこでベトナム、インドネシア、今度インドネシアに対して、感想はどうでしたか。

志位 インドネシアの人口は、2億4千万人で、世界第4位です。たいへんな人口大国です。経済的にも大きな発展の途上にあります。そして、東南アジアを平和な地域にするために、ASEANのなかで非常に重要な役割を果たしています。それで、インドネシア政府がよくいうのは、「動的均衡」ということなのです。

田原 「動的均衡」? どういうことですか?

志位 ちょっと説明すると、(地域の)力関係はつねに動いている。中国が台頭したり、アメリカが(アジア太平洋に)リバランス(再配置)したりと変動している。そのなかで、どの国の支配も許さない形で、「均衡」をたもっていく。ただし、そのさいの「均衡」とは、「軍事力による均衡」や、「軍事的抑止による均衡」ではないとはっきりいうのです。どうやって平和をたもつかというと、外交的手段――対話と信頼醸成、紛争の平和的解決に徹するということなのです。

たとえば、私が驚いたのは、ASEANの本部に行って聞きますと、(ASEANでは)年間1000回以上もの会合をやっているというんです。毎日3回ぐらいやっている計算になりますね(笑い)。年がら年中やっている。

田原 本部はどこにあるんですか。

志位 ジャカルタです。年がら年中会合をやって、東南アジアの地域内でもよくみますと、紛争はあるんですよ。紛争はたくさんあるけれど、それを戦争にしない。そういう知恵はすごいなと思いますね。

田原 なるほど。紛争を戦争にしない知恵はなんですか。

志位 徹底した話し合いです。対話と信頼ですよ。

 ASEANはもともと経済連携で始まったのが、だんだん政治的にもいろんな議論をするようになりました。いつも対話しているというのが大事なんですよね。今度、経済統合をしますから。

志位 2015年にASEAN共同体がつくられます。

 もしかするとEU(欧州連合)に続く政治的な統合の地域になる可能性があります。そうすると経済が安定して、投資も増え、GDP(国内総生産)も増えてくる可能性もありますね。

ベトナム――「市場経済を通じて社会主義」の路線に注目

田原 共産党にとって理想の国はどこですか。たとえばベトナムなんかいいんじゃないかと。

志位 私たちはモデルにする国ってないんですよ。たとえば、ベトナムにしても、政治体制については、「共産党が指導する」って憲法に書いてある。そういう体制を私たちは目指しませんから。(日本の社会変革では)どんな政党にも特別の地位を与えたりしない。

でも、ベトナムが努力している方向には、共感することが多かったです。たとえば、経済成長、国民所得の増加、貧困削減、貧困者・幼児・高齢者への無料医療保険の提供などで、人民の生活を第一にした取り組みなどが、すすんでいます。

 ベトナムは経済的に富が拡大してくると、政治的な民主化も進めるという方針なんですか。

志位 その模索をやっていますね。たとえば、国会議員の選挙は、国会の定数は500なのですが、800人ぐらい立候補するということです。300人は落ちるわけです。

田原 そんなに出るの。立派じゃない。(笑い)

志位 つぶれたソ連のような体制というのは、集団化で労働者を縛り付けて、一切の自由もないと。そういうやり方というのは、破たんしたわけです。実は、ベトナムも最初は「ソ連型」の経済をやっていた。ところがそれがうまくいかなくなって、86年からドイモイ(刷新)路線という、「市場経済を通じて社会主義へ」という路線を始めたのです。

「市場経済を通じて社会主義へ」という路線は、私たちも目指しているものです。そこには同じものがあるのです。ただ、ベトナムと日本は発展段階が違う。日本でそういう道に踏み出す時には、発展段階ははるかに高いわけですから、やっぱりモデルにするわけにはいかないんですよ。

政権への道をどう開くか――大企業の問題、統一戦線の問題など

最後の話題は、共産党が政権につくかどうか。

田原 それでは最後に、共産党は、当然政権を狙うんでしょう。

志位 もちろんです。

田原 自民党と一番の違いはどこ。

志位 自民党は、アメリカと財界に顔を向けた政治しかしていません。私たちは国民の声にもとづいた政治をやります。

田原 そういうけど、企業を成長させることは生活者の論理なんですよ。大企業が悪だなんていったら…。

志位 大企業が悪だなんて言っていません。大企業に、その力に応じた社会的責任を果たしてもらうと(言っています)。

田原 そうだよ。もっと大企業が社会的責任をちゃんととれと。

志位 そういうことです。ちゃんと税金を払いなさい。ちゃんと雇用の責任を持ちなさい。ちゃんと中小企業に責任を持ちなさい。地域経済に責任を持ちなさい。環境に責任を持ちなさいと言っています。

田原 そういうことをだんだん言ってくれれば、ああ、政権政党もいけるなと思う。

 共産党はあるテーマごとに共闘みたいなことを考えようといっているんですよね。脱原発や雇用の問題だとか、そのへんをこれからどうやって進めていくかというのが一つのポイントだと思いますけれど。

志位 私たちが政権につくことを考えたら、1党でとれるとは思っていませんから、やはり連立政権、統一戦線のことを考えなければいけません。では、統一戦線をどこからやるのかということを考えた場合、いま一番現実的なのは、一致する課題で、「一点共闘」と呼んでいるのですが、たとえば原発ゼロ、あるいは集団的自衛権反対、TPP阻止、消費税増税反対とか(で共闘することです)。

村上 ずいぶん前ですが、共産党は「確かな野党が必要です」というキャッチフレーズがありましたが、有権者からすると確かな与党でいただきたいのですが。

志位 「確かな野党」のスローガンはいい面もあったんですが、“与党にならないのか”という意見もずいぶんありまして、いまは言っていません。(笑い)

村上 与党を視野にということですか。

志位 しっかりした責任ある与党になることを目指しています。

村上 わかりました。今日はいろいろお話をうかがって、ありがとうございました。

志位 どうも、ありがとうございました。

 

 

最後まで読んでいただきましてありがとうございました。日本共産党ってすごくないですか?どうぞファンになってくださいね。さ!口内炎が痛くてたまらなくなりました。口内炎が痛いのに今夜は宿直です。関係ないか(笑)

今夜は大好きな都はるみのラストコンサートを聴きながら眠ることにしましょう。みなさん、おやすみなさい。また明日

都はるみ ラストコンサート 1

都はるみ ラストコンサート 2

都はるみ ラストコンサート 3

この舞台は観てないんです。あああ・・・観たかった

カテゴリー: 未分類   作成者: てづかこうじ パーマリンク
てづかこうじ

てづかこうじ について

●1961年生まれ ●1979年県立板野高校卒業・鳴門信用金庫就職 ●1980年劇団ほじゃなを結成  藍住子ども劇場運営委員長、日本アマチュア演劇連盟理事、徳島演劇協会副会長  鳴門信用金庫職員組合委員長などを歴任 ●2003年徳島信用金庫を退職  日本共産党の専従に  現在、日本共産党阿北地区委員会委員長

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